タヒチでひとりごと

タヒチ在住者による現地情報をお届け。

スポンサーリンク

あえてタヒチのデメリットを考える・「 食事 」編

タヒチ旅行の口コミで評価が低い部分を在住者目線で釈明してみる企画です。

第1回は「天候」
第2回は「島の選択」
第3回は「交通・旅のスタイル」
第4回は「生活リズム」

について見てきました。
今回は最終回として「食事」に関してです。

旅行の候補地にタヒチが含まれている方には、後悔のない旅行にするために参考にしていただければ嬉しいです。

食事の当たりはずれ

予算に上限が無ければ、タヒチでも美味しい飲食店はたくさんあります。ただ、物価高からもご想像の通り、高級レストランはかなり高額です。

価格はともかく、美味しいものを提供していればまだいいほうです。結構高いのにあまり美味しくない、むしろまずい…というところも。

ガイドブック等で紹介されているのはそれなりに実績のあるお店だと思いますが、通りがかりに入った無名の飲食店なら多少の当たりはずれは覚悟しておいたほうが良いかもしれません。

この問題点を「結構高い」と「まずい」の2つに分けて見ていきます。


(1) 価格が高い理由

食いしん坊なタヒチアンを満足させなければならないからか量が少なくて割に合わない飲食店はあまりありません(特に日本人にとっては)。不満が生じるのは「タヒチの物価高」+「それを了承していない」場合でしょう。

・材料費高の問題

領土のほとんどが海で、陸地の少ない仏領ポリネシア。土地面積の問題だけでなく、気候の問題で生産できない物もあって食料品の大半を輸入に頼っています。

人口が少ない分、他国に比べて輸入量も小規模で割高なはずです。特に生鮮食品は空輸されていることが多いので高価な傾向にあります。そのうえ、人件費も高いので地元産の食材でも結局は高いのです。

飲食店を営む上で、人件費だけでなく材料費も高くなりますから、カジュアルなお店でも提供価格が高めになってしまいがちです。

南太平洋の海にポツンと浮かぶ小さな島々で現代的なそれなりの食事が提供されることを考えれば、多少高くても仕方がないのかもな~と思えてきませんか?

・悟りの境地

「これでこの値段!? 日本ではあり得ない!!」と考えないように努めましょう。 自国の物価と比べてしまうと、どうしても割高感が拭えません。

旅行の口コミサイトで興味深い意見を見かけました。タヒチの飲食店についてレビューしていた欧米人旅行者の中には「自分の国だったら高いと感じるだろうけど、タヒチでは妥当な価格」と納得している人が少なからずいたのです。(もちろん「高すぎる!」と不満タラタラの人もいますけど…)

そして純粋に料理の質に関して評価を下す。見習いたい姿勢だな~と思いました。(決して欧米人を見習えと言っているわけではないのですが、日本語のレビューは「高い」と嘆く人のほうが多い印象だったので。)

価格はともかく、満足できるレベルの食事が提供されたら良しとするくらいの気持ちで挑むのが良さそうです。それが無理な人は、もっと物価の安い国を旅行先に選ぶべきでしょう。

もしタヒチでの食事を高く感じなかったとしたら、そのお店の企業努力を褒めてあげてほしいくらいです。


(2) 美味しくない理由

2つ目は、料理人の技術面です。

・「雨後の筍」問題

タヒチでは外食産業が成功しやすいという印象があります。娯楽が少ないせいで、人々が娯楽費を食べ物に注ぎ込むのか… それとも自炊をしたくない面倒くさがり屋が多いのか…。

そこで、一獲千金を夢見て料理の得意な素人、セミプロレベルの人が飲食店を営むケースが多々見受けられます。他業種で起業するよりも簡単に成功できると思っているのでしょう。日本で飲食店を始めるのに比べると、もっと気軽な雰囲気です。

タヒチは行政機関ものらりくらりなので、飲食店なら売り上げを納税の際に誤魔化しやすく簡単に儲かると思う人も多いようです。

そんな事情から、考えの甘い素人料理人が紛れ込んでいる可能性があり、飲食店全体として見ると質にムラがあるのではないか思います。

また、同じお店であっても日によって当たりはずれがあることも。この間は美味しかったのに、今日はイマイチということも日常茶飯事です。

在住者にとっては口コミなどである程度判断できますが旅行で訪れる方にとっては難しいところだと思います。


・飲食店レビューの存在意義

そこで当ブログでは、当たりはずれの「はずれ」回避策として、実際に利用した飲食店の感想をお伝えしていきたいと思っています。(外食の頻度があまり多くないので、投稿ペースはゆっくりになりますが…)

私がご紹介するお店を「何だ、この程度か」と思われる方もいらっしゃるでしょう。日本でも「口コミほどではなかった…」というケースがあると思いますが、同じことです。評価した人が自分と似たような嗜好でなければあまり当てにならないわけです。

しかし、少なくとも日本人の感覚で「お金を払う価値がない」と思う所はご紹介しない、もしくは利用しないように注意喚起ができるかな?と思います。地元民に評判が良くても、日本人の私には合わないところが実際にあったからです。

価値あるお店かどうかは実際に行ってみるのが一番。でも旅行で来られる方々には手当たり次第に試す時間がありません。せめて「ありえない」レベルのお店を省くお手伝いが出来れば、と思っています。

B級グルメ中心ですが、よろしければグルメカテゴリーの記事もどうぞ。(現状はタヒチ島の飲食店のみです。離島は今後機会があれば…)


デメリット総まとめ

当初はデメリットシリーズがこんなに続くとは思っていませんでした。(前・後編くらいの予定でした)

改めてタヒチに欠けている点を挙げていくと、どれだけデメリットが多いんだ…とネガティブな思いが湧いてきて途中でやめてしまおうかと思ってしまいました。

欠点を提示する記事は、タヒチ旅行を計画している人のテンションも下げてしまうかもしれません。

それでも、高い理想を抱いてタヒチに来て、そのギャップに落胆するというのは避けていただきたいという一心で書くことにしました。

「パンフレットやガイドブックではお化粧が施されているけど、素顔のタヒチはこうですよ」というのを少しでもお伝えしたくて。

結局タヒチに向いている人・いない人というのは、「ありのままのタヒチを受け入れられるか否か」ではないでしょうか。

他の多くの観光地は、旅行者の側に寄り添ってくれるかもしれません。でもタヒチは至ってマイペース。そこが万人受けしない部分かと思います。

このマイペースさを大らかに受け止められる方、何もないのがむしろ良いと思って非日常を楽しめる方は是非タヒチを訪れてみてください。

タヒチに住んでいる身として、せっかく来ていただくのなら出来るだけたくさんの方にタヒチを好きになっていただきたいと願っています。