タヒチでひとりごと

タヒチ在住者による現地情報をお届け。

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あえてタヒチのデメリットを考える・「生活リズム」編

タヒチ旅行の口コミで低い評価が下されていた部分を在住者目線で探ります。

第1回は「天候」
第2回は「島の選択」
第3回は「交通・旅のスタイル」

についてお伝えしてきました。

第4回の今回は「生活リズム」について見ていきたいと思います。

旅行の候補地にタヒチが含まれている方には、後悔のない旅行にするために参考にしていただければ嬉しいです。

朝型/夜型

普段よりちょっと朝寝坊して、ホテルの朝食ビュッフェをゆっくり楽しんで、昼間は観光、夜は街をそぞろ歩いて…という風に、通勤・通学などの時間を気にしなくてもよい旅行中は普段よりやや夜型の生活になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

旅行者のペースと地元民の生活リズムにズレがある場合、不満が出てくることがあります。

・営業時間が短い

パペーテの街中でも17時以降はお店が閉まり始めて街がゴーストタウンみたいになる、というご意見を見かけました。

ざっと調べてみたところ、パペーテ中心地では17時半閉店というお店が多かったのですが、日本人の感覚では…確かに早いかも。

観光客向けのお店などはもっと営業時間が長かったり、バーやクラブは営業していますが、周辺の商店が 閉まると「寂れた街」と感じられるのでしょう。

・ゴーストタウン化の理由

これには訳があります。

時期を問わず一年中タヒチでは日中の気温が高くなるので人々は早朝から働き始めます。

同じ労働時間なら、まだ涼しい早朝から働き始めて暑くなる夕方は早めに仕事を切り上げて帰宅するのです。合理的だと思いませんか?

パペーテのマルシェ(市場)が早朝から開いているだけでなく、その他の小売店も7時半~8時半に開店するところが多いです。

・朝型が習慣として定着

冷房の効いたお店なら気候は関係ないのでは?と思われるかもしれません。

これはもうタヒチ社会全体が気候に合わせた朝型で定着しているからと考えるしかないと思います。

早朝からの客足が多く、夕方にはほとんど途絶えてしまうのなら、それに合わせて営業時間を設定するのが普通でしょう。

・法律がタヒチに不適合

シフト制にして営業時間を長くすればいいのに、と思われるかもしれません。

フランス領のタヒチで適用されるのは原則的にフランスの法律で、日本人の私から見ると、かなり労働者を手厚く保護しているように思います。

よって、非正規雇用であっても従業員を1人雇うには結構な費用が掛かります。

フランス本国と違ってタヒチは人口が少なく、観光客の数も多くありません。

早番・遅番と時間差で人を雇って営業時間を長くしても採算が合わないのです。小規模なお店にとっては特にその傾向が強くなります。長時間営業ができるのは大手のスーパーやファーストフード店くらいでしょう。

余談ですが、日曜日の午後は平日の夕方以上にゴーストタウン化します。

カトリックの影響で基本的に日曜は労働しないという習慣が残っており、日曜・祝日は労働者に別途手当を支給しなくてはいけない法律も一因でしょう。

パペーテの中心街では日曜日の朝にマルシェが最も賑わうのですが、午前9時にマルシェが閉まってしまうと街は静まり返るのです。

タヒチの市場規模では、大国と同じ経営体制を望むのには無理があります。それぐらい小さな国だということを頭に置いておきましょう。(自治政府はあるものの、正確に言うと「国」ではありませんが)

日本人にとっては、遅くまでお店が開いているのが普通でも、それが普通ではない世界もあるということです。

予定を朝型にシフト

普段の生活リズムがどうであれ、タヒチのリズムに柔軟に合わせられるかどうかで満足度は変わってきそうです。

ちなみに私の場合、日本では夜型で特に週末は昼過ぎ起床が普通でした。でもタヒチに住み始めてからは、いやがおうにもすっかり朝型の生活に。

役所関係も例外ではなく開庁時間が早いので(だいたい朝7時半~)早朝から出かけて用事をサクサク終わらせることができます。この生活リズムが今では結構好きになりました。

逆に、日本に一時帰国するとお店や役所が開く時間が遅く感じられ、9時か10時頃まで手持ち無沙汰になってしまうのが難点なのですが…。

・早朝散策の勧め

旅行と居住は違うので急に朝型になるのは無理があるかもしれませんが、日程を組む段階でタヒチが朝型の傾向にあると知っておくだけでもより効率的にタヒチ滞在を楽しむ工夫ができるのではないでしょうか。

お店が閉まっている時間帯に街を散策しても面白くないでしょうから、予定が許すなら、午前中を自由散策や買い物に充てることができる日を見つけて早朝から出かけてみてください。夕方に比べて、それなりに活気のある街を見ることができます。

・夜の過ごし方

旅にはどうしてもナイトライフが欠かせないとおっしゃる方は、バーやクラブがある界隈を目指しましょう(パペーテの中心街近くなら海側の大通り沿いなど)。

商店が集中する中心部よりは、寂れた印象が多少薄れると思います。特に週末は地元の利用者も多いので賑わっているようですよ。

また、交通の便が悪いタヒチでは夕方以降にわざわざ街に出るのを避けてホテルのバーなどを利用するようにし、早めに就寝するのも1つの手。

もしかしたら翌朝早くに壮大な朝焼けが見られるかもしれません。

旅行では普段の生活ではなかなか見られないものを見るのが一番。私が旅行者なら、タヒチならではの風景を見ることに専念します。

まとめ

旅行で訪れる方には恐らくなかなか見えてこないであろうタヒチ独特の事情を、生活リズムにフォーカスして考えてみました。

ここまで書いてきたことはあくまで私の主観ですので、タヒチ在住者でも違った見方をする方がいらっしゃることでしょう。

それでも日本人にとっての「当たり前」を取っ払うとタヒチ滞在に不満を持つ人が減るのではないかと思ったので、一在住者の意見として書いてみることにしました。

こういう見方もあるのだな…と考え方の転換をしていただいて、それでも行ってみたい!と思ってくださった方のタヒチ旅行がより充実したものになればいいなと思っています。

次回は最終回、「食事」編です。