10年以上タヒチに住んでいるものの、「花の冠」を自分で作るのは今回が初めて。
今まで必要な時は、相方さんのお母さんが作ってくれていたのです。ところが、今回は旅行中でご不在。
そして材料費はほとんどかからないのに、買うと結構高い。(物価が高いタヒチでは、人件費も高いので仕方がない…)
これは自分で作るしかないな~ということで、ポリネシアの人が公開している動画をたくさん見て研究しました。
作ってみると意外に簡単♪ 何とか "それなりのもの" が出来上がったので、作り方を記録しておこうと思います。
実際に作ってみてわかったコツや、材料がそろわない時の代用アイデアなどもあわせてお伝えします。
タヒチアンダンスの衣装にはもちろん、お祝い事の記念撮影用に自作してみるというのはいかがでしょうか。
生花で作った冠の美しさは感動モノです。良い匂いのする植物を使うと、香りも楽しめます。
造花でも作れますが、もし可能であれば、ぜひ生花で挑戦してみてください。
参考動画
まずは、実際に作っているところを見るのが一番。
たくさん見た中でも参考になると思った動画はこちら ↓

音声による説明は一切ありません。(終始タヒチアンミュージックが流れているだけ)
動画の冒頭に出る字幕は以下の通り。(単なる材料の説明です)
Pour réaliser une couronne de tête végétale 「植物で冠を作るために…」
Il vous faut : du bolduc ou du raffia, des feuilles souples et des fleurs avec des tiges de 5cm.
「必要なもの:ボルデュックまたはラフィア、柔らかい葉、5cmの茎がついた花」
詳しくは、次の項目で。
実際に用意した材料
必要な道具は、リボンをカットするためのハサミくらいです。
リボン(固定用の紐)
動画の冒頭で材料として挙げられていた「ボルデュック」とは、プレゼントラッピングなどに使われるリボンの一種です。素材は主にポリプロピレン製。
ハサミなどでしごいてカールさせることが可能なリボンです。(日本では「カーリングリボン」などの名前で販売されていることが多いようです。)
今回は白い花を入れる予定だったので、白のボルデュックを使いました。
花冠作りには、安いリボンで十分。基本的に葉っぱや花が前面に出て、リボンはほとんど見えないからです。極端な話、紐やリボンの類なら何でも代用可能です。
ほとんど表に出ない以上、リボンの色は何でも良いです。強いて言えば、葉っぱと同じ緑色もしくは使用する花と同じ色にしておくと無難です。
葉っぱと花
子ども用の冠を作るのに用意した材料です。
一番大きな葉っぱは、冠の土台用。長さ60cmくらいの薄くてしなやかな葉です。子ども用の冠には、途中で継ぎ足す必要もない十分な長さでした。
土台に適した葉っぱが手に入らない時は、端切れでも代用できそうです。
動画では「5cmの茎が付いた花を用意するように」との指示ですが、実際には5cm以下でも大丈夫。プルメリアの茎部分はかなり短い(2~2.5cmくらい)ですが、ちゃんと固定できました。
右の手前は、ティアレ・タヒチの葉。その他は、色や形が冠に向いてそうな葉っぱを適当に。彩りにピンクの花も。
このピンクの花は、とても可愛いのによく見ると茎にトゲがあったので、作り始める前に一つ一つトゲをそぎ落としました。
これは、アヴァロという植物の花です。花冠の作り方について書かれているサイトで、お勧めの材料として挙げられていました。
同じ作り方でも、使用する花や葉によって南国風やヨーロピアン調など、応用が利きそうです。花は何でも手に入るもので自由にアレンジしてください。
作り方の要点
ざっくりと全体の流れを把握するには動画を見るのが一番です。
ここでは、ポイントとなる部分をかいつまんで見ていきましょう。
1.巻き始め
2.飾りを配置
3.リボンでぐるぐる
ポイントは、3. の部分の「一緒に巻き込む」ところ。
地味なテクニックですが、巻き始めのリボンの端っこを飾りの植物と一緒に巻き込んでしまいます。そうすれば、結び目を作る必要がありません。
作り始めでリボンがしっかり固定されれば、あとは必要な長さになるまで「飾り用の葉っぱや花を置く→土台と飾りの茎を一緒にリボンでグルグル」を繰り返していくだけです。
花や葉っぱを一つ配置したら、1回ではなく2~3回は巻くようにしましょう。
その際、毎回かなり強く紐を引き締めます。ゆるいと飾りがグラグラします。
途中で冠をかぶる予定の人の頭に沿わせてみて、あとどれくらいの長さが必要かを確認しながら作業を進めます。
最後は、先端同士を合わせて輪になるように固定します。ここは結び目を作るしかありません。なるべく目立たない部分で適当に固結びしてしまえばOKです。
上の動画では、前面だけに飾りがある冠を作っています。指輪に例えるなら、ハーフエタニティのような状態。
写真撮影程度ならそれでも十分ですが、ダンスの衣装として作るなら360℃ぐるりと花で装飾したフルエタニティタイプの冠にする必要があると思います。
基本的に作り方は同じです。途中で飾りを付けるのをやめて土台の葉っぱの両端をつなげてしまうか、ぐるり一周を飾りで埋め尽くすかの違いだけです。
飾りをうまく配置するコツ
飾りをランダムに配置する場合に限っての話ですが、実際に作ってみてバランスが取りやすいと思った方法です。
飾りをうまく配置するコツは、花は土台に対してまっすぐ寝かせる、葉っぱはやや外側に向けて広がりを持たせることです。
花は寝かせるように置いて固定しても、土台が徐々に湾曲していく中で自然に立ち上がって正面を向くので心配はいりません。
このコツは、規則性のあるデザインには通用しないかもしれませんが…。
そして出来上がったのが、こちら ↓
材料さえそろっていれば、製作時間は1時間もかからなかったと思います。
当日までの保存方法
生花で作った場合の保存方法をご紹介します。
冠が必要な日の当日に作るのは(スケジュール的に)大変だと思います。たいていは前日に作っておくほうが都合がよいのではないでしょうか。
生花を使う場合は保存がきかないので、数日前から用意しておくというのお勧めしません。
今回は、前日の夜に作って翌朝まで冷蔵保存しました。
冷蔵庫内は乾燥しやすいので、ビニール袋に入れて口をしっかり閉じて保存するようにします。
その際、せっかく作った冠の形を損なわないように、大き目のビニール袋を用意し、空気でふんわり膨らませ気味にして袋の口を縛ります。
花を冷蔵庫に入れるという発想はなかったのですが、相方さんのお母さんが以前そうしていたのを思い出して真似してみました。
余った花をキッチンに常温で放置して置いたら、翌朝には萎れていました。でも冷蔵庫に入れておいた冠は、翌日もかなりキレイな状態を保っていましたよ。
まとめ
タヒチでは、花冠をかぶっている人を見かけるのは珍しいことではありません。特別な日だけでなく、日常のおしゃれとして楽しむ人もいます。
パーティーや写真撮影には必須アイテムといっても過言ではありません。学校でクラス写真の撮影がある日は、大半の子が花冠や花の首飾りを持参します。
今回は、基本的に生花で作ることを前提にお伝えしてきましたが、造花で作る場合は使いまわしがきくという利点があります。
ただ、やはり至近距離で見た時の美しさは生花のほうが圧倒的に上です。遠目から見れば造花でもバレにくいですが、アップで写真を撮る可能性がある場合などは生花の冠が映えます。
舞台で複数人数で踊る、集合写真を撮るなどの場合は、造花でも十分かもしれません。用途に応じて選んでください。