タヒチ人の名前には、日本人の私でも発音しやすいと思えるものがあります。
フランス語のサイトから、日本人にも馴染みそうな名前をピックアップしてみました。
その中から、今回はタヒチで女の子の名前として一般的なものを挙げます。
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選択基準
日本人にあまり馴染みがない F や V などの音を含まないこと
当て字がしやすそうな発音であること
極端に変な意味、悪い意味を含まないこと
何らかの意味を持つ名前であること
割と短めの名前であること
…などを条件に選んでみました。
特に意味を持たない名前も結構あるのですが、「○○という意味なんだよ」と説明できないならタヒチ語から選ぶ意味が薄れるのではないかと思います。よって、今回は意味を持たない名前は省くことにしました。
割と短めの名前に限定したのは、タヒチ語の名前にはやたら長い名前が存在するからです。日本人向けには2音か3音程度が適当だと考えました。
外国語に由来する名前をご検討の場合、少なからず日本語っぽくない響きをお探しだと思います。そこで、「日本人の名前としては普通じゃない」と感じるものであっても、割と単純な響きなら OK としました。
人の好みというものは千差万別なので、私個人の感覚で取捨選択しないように気を付けて、変わった響きも多少含めるつもりでリストを作成しました。
女の子向けの名前
Emiri 【エミリ】
意味:「バジル」
男の子向けの名前に出てきた Enoha と同じで、E は普通名詞の主語につく冠詞、 miri がバジルを指します。これらを合わせて人名として使われるようになったようです。
Hani【ハニ】
意味:「愛しい、最愛の、愛しい人、愛」
英語の Honey から来ているのでしょうか。日本語でも「愛」という名前を女の子につけたりしますね。それと同じ感覚かと思います。
ちなみに hanihani は「なでる、甘やかす」などの意味を持つ動詞になります。いずれにせよ女の子向けの柔らかいイメージですね。
Heima【ヘイマ】
意味:「冬」
Hina【ヒナ】
意味:「月の女神」
タヒチの伝説では一番最初の人類である Ti'i の最初の妻が Hina と言うことになっています。キリスト教で言えばアダムとイヴにあたるのでしょう。そして Hina は今は月に住んでいるということになっています。hina という単語は普通名詞として「ひ孫」という意味もあります。
Hinano【ヒナノ】
意味:「パンダナスの花」
パンダナスの花を意味する場合、正確には hīnano と書き、「ヒイナノ」というふうに i を重ねる発音になります。女の子の名前として用いられるときは Hinano と書いて「ヒナノ」と発音します。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、タヒチにはヒナノビールという地ビールがあり、ラベルには女の子が描かれています。
ビールの名前を子どもにつけるなんて…というフランス人女性のコメントを見かけましたが、日本ではタレントの吉川ひなのさんなどの例もありますし、響きも可愛いので問題ないのではないかと思いました。
ちなみにパンダナスには雄株と雌株があります。雄株に花が咲き、雌株が実をつけます。花はとても薫り高く、冠や首飾りを作るのに使用されます。
Hine【ヒネ】
意味:「女性」
人間の性別としての「女性」を表す言葉ですが、現代タヒチ語では単体で使用せず、他の言葉と組み合わせて使います。
māhine「若い女の子」、ruahine「老婆の姿を持つ女神(の名前)」、tamāhine「娘、若い女の子」、vahine「妻、~夫人、愛人」などの語源になっている言葉です。
Luana【ルアナ】
意味:「皆で楽しむ、くつろぐ、満足する」
ハワイが起源の名前です。ゆったりと幸せな人生が歩めそうな名前ですね。
Maire【マイレ】
意味:「シダ植物の一種」
繊細な香りのするシダ植物の一種。冠を作るのにつかわれたりします。
どんな植物か見てみたい方は、学名「Polypodium vitiense (Baker)」で画像を検索してみてください。
Miri【ミリ】
意味:「バジル」
Emiri と同じで、冠詞が付くかどうかの違いです。
Nanihi【ナニヒ】
意味:「完全な女性」
形容詞として用いられる nānihi(ナアニヒ)には「完結した、首尾よく完了した」というような意味があります。
Nina【ニナ】
意味:「覆う、覆い隠す」
Nīnā(ニイナア)という動詞から来ているようです。元々は「土や水で覆う、植物の根元に土を盛る」というような意味ですが、そこから転じて「悪い知らせを葬り去る」のような使い方もあります。
フランス・アメリカ・ロシア・スペイン・インド・ポルトガルなど世界各地でも女の子の名前として用いられるようです。国際的に通用する名前としては良いかもしれません。
Taina【タイナ】
意味:「クチナシの花」
同じクチナシ属に分類されるティアレ・タヒチの仲間。タヒチで見かける Taina はクチナシの中でも八重咲のもののようです。「ポリネシアのバラ」とも称される真っ白でとても良い香りのする花。
Tehani【テハニ】
意味:「愛しい、最愛の、愛しい人、愛」
Hani に定冠詞 Te がついた形。
複数のフランス語のサイトでは「かぐわしい花でやさしくなでること」というふうに訳されていましたが、これは "Te hani o te pua 'ā'ara." という一文の翻訳が Tehani の翻訳だと誤解されて独り歩きしているみたいです。(実際の Tehani の意味は Hani に同じ。)
Teora 【テオラ】
意味:「生命、人生」
英語の life に相当する単語と思われます。ora は名詞としてだけでなく、動詞として「生きる」、形容詞として「生きている」を表す単語です。定冠詞 Te が付いた形で人名に用いられます。
Ura 【ウラ】
意味:「炎」
動詞として「燃え上がる」という意味にも使われます。'ura で「深紅、緋色」の意味になります。
複数のフランス語のサイトで「羽」と誤訳されていたのですが、Académie Tahitienne の公式サイトで確認したところ「炎」が正解でした。情熱的な名前ですね。
まとめ
女の子の名前は植物に由来していたり、愛や命などのテーマがあり、綺麗な名前が多いですね。
ポリネシアの名前はタヒチ語で非常に詩的な意味を持ち、ポリネシア以外でも人気が高まっています。
日本語っぽくない響きの名前には、漢字を当てる時にセンスが問われます。ぜひ、あなた独自の感性を当て字に込めてみてください。
響きが変わっているなら、それだけで十分個性的なので、シンプルで読みやすい漢字を当てるのがお勧めです。
(あまり凝った当て字にしてしまうとキラキラネームみたいになる可能性が高くなるので注意しましょう。)
名付けには考慮することがたくさんあって大変だと思います。最終的に納得のいく良い名前が見つかるといいですね。
↓ ご参考までに「男の子」編・「ユニセックス」編もあります 。↓
参考サイト:
ちゃんと検証せずに安易に他のサイトからコピーしてきたと思われる仏語サイトが多くて苦戦しました…。
当ブログの記事では複数のサイトを比較してなるべく信憑性の高そうな情報を採用しています。
サイトによって全然違うことが書かれていることも多々あり…。響きは綺麗なのに正確な意味が確認できず、残念ながら掲載を断念した名前もありました。
そこで、ご自身で仏語のサイトからもっとたくさんの候補を見てみたいと思う方のために、私が参考にしたサイトをリンクしておきます。
http://www.quelprenom.com/
名前の収録数は非常に多いですが、意味の正確さが信頼性に欠けると感じたので他のサイトと併用しました。世界的にどの国でよく用いられる名前かを網羅している点では参考になります。http://tahitienfrance.free.fr/prenoms/liste_prenoms.htm
タヒチ語の意味解説が多少詳しかったので、上記サイトの名前の意味を確認するのに利用。http://www.farevanaa.pf/index.php
タヒチ語の記事を書くときに度々お世話になる Académie Tahitienne の公式サイト。人名や固有名詞には対応していませんが、名前を分解して一般名詞の意味を調べるには便利。http://www.letahititraveler.com/informations-generales/art-culture/prenoms-polynesiens/
タヒチ生まれ・タヒチ育ちの女性が運営しているブログ。名前リストがスッキリ見やすく、仏訳だけでなく英訳でも記載あり。