前回に引き続き、羊と牧羊犬のショーが見られるシープワールドについてお届けします。
前編は、施設の基本情報と場内で出会える動物たちについてでした。後編の今回はショーについて見ていきたいと思います。
↓ 前編はこちらです ↓
日本語の説明文をGET
ショーが行われる会場の壁際に、ショーのハイライトとニュージーランドの牧羊に関する基礎知識をまとめた紙が置いてあります。
ちゃんと日本語訳もありましたので、ショーが始まる前に入手して目を通しておくと良いでしょう。ショーの理解が深まります。
説明文に記載されている内容を丸写しにしても面白くないと思うので、この記事では見聞きしてきたことを簡単にリポートします。
ショーの内容
牧羊犬の仕事ぶり
シープ・ドッグがどのように羊を集めて連れてくるかを実際に見せてくれます。
遠くのほうに行くよう犬に指示を出したかと思うと、あっという間に羊の群れを連れて戻ってきました。
犬は2種類いて、その2種類の異なる仕事ぶりも見せてもらえます。
犬種 1. 目力の頭脳派
写真の白黒ブチの犬は、全く吠えずに周囲から上手く回り込んで羊の群れを誘導していました。(見た目から判断してボーダーコリーかな?)
羊の世話ができるだけでなく、ご主人が飛ばすジョークにも付き合うほどの賢さ。
犬種 2. 声で勝負の体育会系
もう一頭の犬はやたらめったら吠える犬種でした。この犬を飼うと近所迷惑になること請け合いとのこと。確かに…。(犬に詳しくない私にはどの犬種かわかりません)
吠えない方の犬に比べたら、体力の消耗が半端ないのでは?とちょっと不憫に思ってしまいましたが、生まれ持っての性質なので仕方がないですね。
方法は違っても、こちらの犬も立派に羊をコントロールしていました。お見事。
人間を雇うと給料が高くつくし仕事をさぼったりもするけど、牧羊犬は毎日ボウル1杯の餌をあげるだけで忠実に休まず働いてくれる。人間より犬のほうが断然コスパが良いというような話もしておられました。牧羊犬の見事な羊追いを見た後だと非常に説得力のある話。
スタッフの男性は適度に観客を笑わせながらニュージーランドの牧羊について詳しく説明してくれ、和やかな雰囲気でショーは進んでいきます。
羊の分類
羊の耳を見れば、性別や年齢、持ち主などの情報がわかるようになっています。状況応じて羊を分類する必要が出てくるのですが、それをショーの中で簡単に再現しています。
羊の通路の途中に可動式の板が設置してあって、パタンパタンと開けたり閉めたりしながら羊を正しいほうへ導きます。
観客の中から2名がステージで体験することに。立候補すれば体験させてもらえますし、立候補者がいなければスタッフがランダムに指名します。
羊がやって来るスピードが早いので、簡単そうに見えても素人には難しいです。見ている人からは笑いが漏れますが、完璧に出来なくて当たり前。
これはショーとして見せるためのデモンストレーションなので、間違えてもOK。面白そうと思ったら立候補してみるのも良いでしょう。
ちなみに、写真の白い服を着た女の子はタヒチから来たと言っていました。知り合いではないものの、やはりニュージーランドの観光地ではタヒチ人に遭遇しやすい。
羊の毛刈り
羊の毛刈りの様子を見ることができます。とても素早く毛を刈っていくのにビックリ。羊をさまざまな体勢にしてドンドン刈っていきます。
毛刈りをする人は羊の扱い方を熟知していると見ていてよくわかります。羊は暴れたりせず、されるがままです。あまりに大人しいのでぬいぐるみのように見えてしまうのですが、正真正銘の生きた羊ちゃんです。
羊の毛刈りも観客の中から1人だけ体験させてもらえます。今回は立候補がなかったので、日本人の女性が指名されていました。
スタッフの男性が手を添えて一緒にやってくれるので、「私にできるかしら?」という心配は無用みたいです。毛刈りを体験した人は、自分が刈った羊の毛の一部をお土産にもらえます。
私達がシープワールドに到着した時、ちょうど帰ろうとしていたグループとすれ違いました。彼らはフランスからの観光客で、小学校低学年くらい(?)の男の子が「これ、僕が刈ったんだよ!」と羊の毛を嬉しそうに見せてくれました。親御さんが一緒にステージに上がる必要があるかもしれませんが、立候補すれば子どもでも体験させてもらえるようです。
ちなみに、画像で毛刈りをする2人と一緒にステージ上にいるのが、よく吠える犬種の牧羊犬です。ショーの間もときどき吠えていました。刈ったばかりの羊の毛をモシャモシャと食べていましたが、それは羊の血が少し付いていたからかもしれません。
毛刈りの最中は「血がにじんでる…?」と心配になりましたが、羊は回復が早いので、少しぐらいケガをさせてしまっても大丈夫とのこと。(痛いことに変わりないと思うのですが…)
しかし、基本的に毛刈りが上手な人は、羊に一切傷をつけずに毛を刈ることができるそうです。毛刈りのコンテストで競う時も出血があると減点になるのだとか。今、自分がやったのはあまり良くない例とスタッフの男性は自虐的に説明していました。
あと、毛刈りのバイトでもらえる手当は、1頭当たり2ドルくらいが相場とのこと。手早く数をこなせばかなり稼げます。ただし、羊を傷つけるなどあまり上手でない場合は、もう来なくて良いとその日に解雇されてしまうのだそうです。厳しい世界だなぁ…。
子羊に授乳
ショーの最後には子羊にミルクをあげることができます。係の人から哺乳瓶が配られると、子羊が一斉に入場。とっても可愛いです。
子どもに大人気ですが、大人も参加できます。他の人と哺乳瓶を譲りあって体験しましょう。
時期によっては子牛の授乳も
子牛へミルクをあげるのは、普段ショーの内容には含まれていないようです。
「最近生まれたばかりの子牛がいるので、今からミルクをあげに行きます」とスタッフの方がおっしゃったので、ショーが終わってからついていきました。
羊の時とは違った大型の哺乳瓶を渡され、必ず両手で持つようにと言われました。確かに子羊に比べると格段に力が強いです。
ショーが終わると大半の観客はさっさと帰ってしまったので、子牛の乳飲ませは少人数で十分に満喫できました。
まとめ
羊と牧羊犬のショーは、もっと短時間で簡単にまとめられたものだと思っていました。ところが、予想に反してなかなか見ごたえありです。
特に、毛刈りは1頭丸ごと刈って見せてくれるとは思っていませんでしたし、その速さにビックリ。
1日に2回ショーがあることを考えれば、少なくとも毎日2頭の毛刈りを行っているわけですが、その程度で羊の数が不足するなんてことは全く起きないのですね。それだけニュージーランドにはたくさんの羊がいるということか~!と実感しました。
以前行ったロトルアのアグロドームのほうが規模は大きいように思います。
しかし、シープワールドには規模が小さいからこその良さがあります。ショーを間近で見ることができ、観客数も多くはないのでアットホームな雰囲気です。
シープワールドはオークランド中心部から少し離れていますが、日帰りできる距離です。他の都市に移動せずオークランドのみに滞在する予定の方は、訪問を検討してみてはいかがでしょうか。