タヒチ島の観光スポットのひとつ、ヴィーナス岬(La Pointe de Vénus)をご紹介します。
名前の由来
1769年、金星(=ヴィーナス)の太陽面通過を観測する目的でイギリス人海軍士官ジェームズ・クックが上陸し、観測を行った場所でもあることからヴィーナス岬と名づけられました。
見どころ
(1) 灯台
灯台の正面側に説明が書かれたボードが2つ設置してあるのですが、タヒチ語、フランス語、英語の3か国語のみだったので日本語に翻訳してみます。
灯台
ヴィーナス岬の灯台は1867年に帝国長官ロンシエール伯爵主導のもとで建設され、1868年1月に運用が開始されました。この灯台が建っているのは、ドルフィン号のサミュエル・ウォリス、ブードゥーズ号のアントワーヌ・ド・ブーガンヴィル、エンデバー号のジェームズ・クック、バウンティ号のウィリアム・ブライ、ダフ号のロンドン伝道協会の宣教師たちが上陸したという歴史的な場所です。
(案内板「Le phare」より)
世界史に名を残す人たちが多数降り立った場所なのですね。
大きさについて
土木工学の指揮官は、エンジニアのトーマス・スティーヴンソン(作家のロバート・ルイス・スティーヴンソンの父)の設計に基づいて建設を指導しました。ガンビエ諸島産の珊瑚、玄武岩の石材などを使って建設されたヴィーナス岬の灯台は、8階建ての角ばった塔で元々の高さは25メートルでした。
建設のために宗教的建造物の建築技術で知られるマンガレヴァ島の職人15人でチームが結成されました。これが南太平洋初の灯台でした。
1963年に電化のため7メートルが追加されました。1973年にタヒチの電気システムに接続され、2007年には改装が行われました。
現在は特殊光レンズのおかげで航空ナビゲーションにも使用されています。
(案内板「De la Taille,」より)
この灯台は改装こそ行われたものの、1867年に建設されたものが現存していて、尚且つ、いまだ現役なのです。
(2) 黒砂のビーチ
ヴィーナス岬周辺は、火山の溶岩が砕けてできた黒砂のビーチが広がっています。波が比較的穏やかで、水温が高く、海水の透明度も高いため、地元の人々の憩いの場になっています。タヒチアンにとっては「海水浴ならここ!」という定番のビーチのうちの1つで、子どもを連れて訪れる人も多いです。
見学時の注意
ヴィーナス岬の駐車場から砂浜に向かって歩いて行く間に、地面にたくさんの穴が開いています。何かといえば、蟹の巣穴です。
巣穴の存在に気づかず周りの景色ばかりを見ていると、足を取られて転倒する可能性が無いとは言えません。足元にも注意してくださいね。
まとめ
今回訪れたのは夕方だったので写真では薄暗いですが、この時間はこの時間で風情があります。
ツアーで島内観光に連れて行ってもらう場合は日の高いうちに行くことが多いと思うので、この時間帯の雰囲気は意外と珍しいかな?と思って撮影してみました。
地元の人に聞くと、海水浴するにはこのくらいの時間が一番心地よいのだとか。日が傾いて直射日光のジリジリとした暑さがなくなる一方、日中の強い日差しで海水が十分に温まっているから肌寒くならず丁度良いのだそうです。
ヴィーナス岬の成り立ちを知らないと「な~んだ、これだけ?」と思ってしまうかもしれませんが、訪れる時は「タヒチ島で歴史的に重要な場所なんだな~」と思いを馳せてみてください。