タヒチでひとりごと

タヒチ在住者による現地情報をお届け。

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ハワイのお土産をタヒチのものと比較してみる

先日、相方の親戚の方にハワイ土産をいただきました。

この方はハワイ出身でタヒチの女性と結婚後、長い間タヒチに住んでいましたが、今は一家で他の国にお住まいです。「久しぶりにタヒチに来たから」と会いに来てくださいました。

個人的に「ハワイ出身の人は豊富なお土産品の中からどんな物を選ぶのか」ということに興味津々。タヒチの製品と比較してどうか等、いろいろと思うところがありました。


今回いただいたもの

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マカダミア・チョコ

MAUNA LOA というメーカーのものです。今まで Hawaiian Host というメーカーのマカダミアナッツ・チョコレートをもらうことが多かったですが、味は特に大差なし?調べてみると、マカダミア・チョコの元祖 Hawaiian Host がローストマカダミアを主に製造する MAUNA LOA を2015年に買収、子会社化したようです。なーんだ、同じ会社だったのか。

ハニーロースト・マカダミア

この蜂蜜の甘さ×塩味は超危険。食べだしたら止まりません…。しかも小さい缶じゃなくて大袋なんて危険すぎる。家族みんなが大好きであっという間になくなりました。

Ani's BAKE SHOPのSWEET BREAD

ハワイに行ったことがない私は全然知りませんでしたが、調べてみると地元では有名なパン屋さんみたいです。このスイート・ブレッドはスーパーマーケットにも卸している定番商品とのこと。

Ani's BAKE SHOP 本店に行くと豊富なラインナップから選べるようです。本店限定の商品はクリームたっぷりなど甘い系も充実していて美味しそう。ハワイで行ってみたい所が1つ見つかりました ♪

このスイートブレッドは、とにかくフワフワ。柔らかすぎて輸送中に潰れてしまっていたのがちょっと残念ですが、これだけフワフワなのだから仕方がない。まぁ普通はお土産にするような商品ではないような気がします。

それでもハッキリと Made in Hawaii とパッケージに書かれているし、ハワイ独自のパンなのかな~と、もらったほうはいろいろ想像して喜んでおります。

特に中に何かが入っているというわけでもなく、ほんのり甘いちぎりパン的な感じ。

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スイートブレッド断面。

親戚の方は「定番品でごめんね~」と、あまり気合を入れてお土産選びをした感じではなく「何となく」のセレクトというニュアンスが漂っていました。でも私はむしろそういうお土産のほうが好きです。

いかにもお土産専用に作られた商品よりも、地元の人が普段食べているものの方がその土地を身近に感じられて嬉しいのです。お土産好適品のマカダミアももちろん好きですが。


これまでにもらったハワイ土産

今回いただいたお土産以外に、以前もらったことのあるハワイ土産で印象に残ったのものを。

Kona Coffee

これはハワイ特産として有名ですし、飲んだことがなかったので嬉しかったです。コーヒー好きには喜ばれるお土産かと。コナ・コーヒー=ハワイという点が強みですね。

ハワイのお土産業界ではまだ新しいほうだと思いますが、お土産にしてはなかなか美味しいクッキー。日本の温泉地のお土産品とは一線を画すと思います。コナ・コーヒー味や南国フルーツのフレーバーがあったり、クッキー自体がパイナップルの形をしているなど、ハワイ色を出しているのも良い感じ。個包装されていて綺麗なパッケージは日本人受けを意識したお土産だと思います。

www.honolulucookie.co.jp



匹敵しそうなタヒチの商品

あくまで「匹敵しそうな」です。全然匹敵していません。類似商品と言うべきかな?

チョコレート製品

マカダミア・チョコやただのチョコレートをタヒチっぽいパッケージで売っています(ポリネシアの風景写真とかゴーギャンの絵とか)。でもチョコレート自体も、マカダミアナッツも全然タヒチの特産品ではありません…。

ただ単にハワイを始め他の南国リゾートでお土産の定番品だからと真似をしただけだと思います。せめてハワイみたいに特産品のマカダミアナッツでチョコレート製品を作るくらいでないと、独自色が出ません。

日本に帰国する際など、私はタヒチのチョコレート製品はまず買わないです…。なんだかパッケージにお金を払っているような気がして。お土産をバラ撒く必要がある人、職場に「皆さんでどうぞ」という無難なお土産がどうしても必要な方は仕方がないかな。まぁ日本の観光地の有名でないお土産と同じ感覚です。

ハニーロースト・ピーナッツ

フレーバーピーナッツをスーパーで見たことがあります。ちゃんとタヒチ産でバニラの香りがついているなど、タヒチ色を出していたので「お、いいじゃないか」と思ったのです。

しかし、全然お土産品っぽいパッケージじゃなくて、ただのプラスチックカップ入り。明らかに地元民向けの商品でした。生産している企業が観光客をターゲットにしていないのが残念。あと、ピーナッツはマカダミアに比べて安いイメージがあるのもマイナスかな…。惜しい。

ココナッツパン

ハワイのスイートブレッドに対抗できそうなのはココナッツパンくらいかと。

フワフワ加減と特産品ココナッツミルクを使っている点では合格。でも翌日には味が落ちてしまうのでお土産には不向き。それ以前に袋にすら入っていなくて裸で売られていることが多いので明らかに地元民向け商品。かろうじて袋詰めされているスーパーのココナッツパンは美味しくないので、そもそもお土産にする気すら起きません。

スイートブレッドとの差は添加物なのではないかと思います。タヒチのココナッツパンに添加物が使われていないとは言いませんが、パン屋さんのココナッツパンはいかにも手作り風。スーパーの工場生産品的なココナッツパンですら、袋の原材料表示を見ても品目が少なくてシンプルです。だからこそ、翌日以降に焼き立ての風味を保つことが出来ないのではないかと思います。

対して、ハワイのスイートブレッドのパッケージを見た時はビックリ。原材料の品目の多さが半端じゃない…。あまりに多すぎて最後まで目を通すのが億劫になるほど。「うわ~、いかにも大量生産品だな…」と思いました。

添加物が一概に悪いとは言いません。実際にココナッツパンが余ってしまった時、翌日はあまり美味しくないので「もうちょっと当日の風味が長持ちしてくれたらなぁ」と思うこともあります。日持ちさせるため、風味を長く保つため、よりしっとりフワフワにするため…というのであれば添加物を使用するという選択肢もありでしょう。

よりナチュラルなものか、日持ちするなどの便利さを取るかは消費者が必要に応じて選べばよいので、選択肢は多いほうが望ましいです。

とにかく、かなり素朴な作りのココナッツパンはフワフワで独自色はあるものの、日持ちしなさすぎて全くお土産向きではありません…。

バニラフレーバーコーヒー

香りはタヒチっぽいので良いのですが、主原料のコーヒーや紅茶自体はタヒチの特産品ではないので輸入品を使用。ハワイのコナ・コーヒーに比べたらちょっと弱いかなぁと思ってしまいます。

調べてみたところ、地理的にはタヒチでも山間部であればコーヒーの栽培に適していそうなので、国を挙げてブランド豆の確立を目指すとかすればいいのにな~と勝手に思っております。紅茶の栽培はちょっと地理的に無理っぽいです。

ポリネシア産のバニラが高級品として有名なので、このままでもまずまずの商品。あまり重くないので持ち帰るのにも適しています。

ただ、豆を挽いた粉の状態で袋詰めだけでなく、ドリップコーヒーで個包装にしてくれたらバラ撒き用のお土産にも良いのではと思いました。

タヒチ産のクッキー

タヒチっぽいパッケージで売られているクッキー類をいろいろ見てみましたが、特産でも何でもない「マカダミアクッキー」や、ただの「チョコチップクッキー」などは個人的には論外です…。

ノアノア社のバニラクッキーやココナッツクッキーは個包装で割と良い線を行っていると思うのですが、購入した人の口コミではクッキーとしてあまり美味しくない模様…。

そして何だか地味な見た目。もっとフレーバーを増やしてアソートにするとか、クッキーの形を工夫するとか、パッケージデザインにお金をかけるとかしないと Honolulu Cookie Company などにはとてもじゃないけど対抗できない感じです。

何かと残念な点が多くて、私は買ったことがありません…。



ハワイ土産・タヒチ土産ともに、他にもお土産はあると思いますが、ここではひとまず私がもらった中で印象に残ったものを比較してみました。他の商品も比較するとなると、結果は違ってくるかもしれませんが、ひとまずタヒチ惨敗…。

観光地としての規模だけでなくハワイの企業のほうがずっとマーケティング等にも長けていると思うので、太刀打ちできなくて当然の感もあります。


価値観の違い

スイートブレッドとココナッツパンを比較した時に、ふと、このミネラルウォーターの話を思い出しました。

www.j-cast.com

日本やフランスではナチュラルミネラルウォーターという「より自然のままの水」が好まれるのに対して、アメリカではピュリファイド・ウォーターという濾過した水が一般的で、それに何らかの成分(ミネラル分など)を添加したものにより価値を見い出すのだということです。

ちなみにピュリファイド・ウォーターは原料が井戸水であろうと水道水であろうと何でもOKというような話を読んで驚愕したものです。

スイートブレッドにもおびただしい数の添加物が含まれていましたが、アメリカ人の感覚では「それで最高にフワフワしっとり日持ちするパンが得られるなら良いこと」という感覚があるのかな?と思ったのでした。

タヒチの製品のほうがナチュラル志向だとは言いません。しかし必要以上に添加物を加えるということは少ないように思います。その分、日持ちや風味保持についてはあまり考えていなさそうですけれど(笑)。

アメリカの領土とフランスの領土。考え方が根本的に違うようなので、どちらかがどちらかを真似してもうまくいかないのかも。タヒチはハワイの真似をするのではなくて、高くてもいいから「これぞタヒチ」という製品を作って独自路線を行ってほしいものです。


まとめ

某お土産通販サイトでタヒチのお土産ランキング1位がタヒチとは全く関係のないスペイン製の製品だったのが悲しい…。気の利いたお土産に乏しい証拠です。

日常の食品に添加物が増えるのは歓迎しませんが、タヒチにはお土産用に見栄え、日持ち、品質保持の点を意識した独自性のある商品の開発がもっと必要なのではないかと思いました。

(他の南国リゾートの2番煎じ商品が多く、特にパッケージデザインが適当すぎるのが多いのも問題)

アメリカの製品はまた極端で、結果を出すためには手段は選ばない的な添加物の使い方に感じられてしまうのですが、タヒチはちょっと "のほほん" としすぎのような気がします。

受け入れる観光客の数も、地元民の数もぐっと少ないからか、タヒチではなかなかお土産産業が発展しない印象です。ハワイの例を見ては「タヒチもこうなればいいなぁ」と羨ましく思うものの、そうならないのも仕方がないとも思うのです。

そしていつも日本に一時帰国する時にはお土産選びに困るという…。

観光客向けの商品はパッとしないものが多いので、地元民向けに売り出されている商品でお土産にできそうな物を日々探し続けています。

良いものが見つかったら、その都度当ブログでご紹介するつもりです。

というわけで、独断と偏見によるハワイとタヒチのお土産比較でした。