タヒチの新年を彩るお菓子、ガレット・デ・ロワをご紹介します。
元々はカトリックの行事に由来するフランス菓子です。
タヒチの伝統ではありませんが、タヒチの人たちは美味しいものが大好き!
美味しいものを食べる習慣なら、外から入ってきた行事でも何でも大歓迎!というわけで、タヒチでも毎年このガレットが飛ぶように売れています。
Galette des rois とは
ガレット・デ・ロワの歴史や発祥などの詳しい説明は、他のサイト様にお任せしましょう。
どういったものなのかを簡単に紹介すると、1月の第1日曜日(公現祭/エピファニー)に食べるお菓子です。
ただし、タヒチでは1月の第1日曜日だけでなく、少なくとも1月末くらいまでは販売し続けるお店が多いみたいです。(このへんがフランス本土とは違うような気がします☆)
一般的には、パイ生地にアーモンドクリームが入ったガレットが主流。
リング状のブリオッシュ生地に、ドライフルーツが入ったものもあります。
ガレットの中には「フェーブ (fève)」と呼ばれる陶器製の小さな人形が入っています。
小さな人形といっても、最近では形も様々。
歴史的建造物や伝統菓子をかたどったものなどもあるようです。
最近のモチーフは何でもアリな感じになりつつありますが、小さくて可愛いのでコレクションするのも楽しいです。
ガレット・デ・ロワの楽しみ方
これは私がタヒチに来てから知った方法なので、フランスの伝統的な方法とは違うかもしれませんが…。
- まず、大きなガレットを人数分に切り分けます。
- 誰かひとりが目隠しをするか、もしくはテーブルの下に潜ります。
- 切り分けた人がどれか一切れを指し、「これは誰の?」と聞きます。
- 目隠し(テーブルの下)の人は、その場にいる人の名前を答えます。
- ガレットが全員に行き渡るまで、3. と 4. を繰り返します。
目隠し(テーブルの下)の人というのは、たいてい子どもの役目です。
ガレットを切り分ける時に、誤ってフェーブに当たってしまうことがあります。
切り分けた断面からフェーブが見えてしまった…というアクシデントもあったりします。
それでも、指名役の人が目隠しをしたりテーブルの下に潜ることで、ガレットのどの部分が指し示されているかが見えないため、公正に分配ができるというわけです。
食べる前からフェーブが見えてしまっているよりも、食べてみるまでどこにあるのかわからない方が、もちろん盛り上がります!
フェーブが当たった人は、ガレットに付属している紙製の王冠をかぶって王様(女王様)になれます。
王様になったからと言って特に何かあるわけではないのですが、自分のガレットにフェーブが入っていると単純に嬉しいものです。
年始に縁起物が当たって幸先が良いなぁ!的な感覚でしょうか。
今年食べたガレット
タヒチの子どもたちは、毎年このガレットを楽しみにしています。
なんと、学校給食のデザートとしても登場します。
ただ、小さな子はフェーブが自分の物にならないと不機嫌になることも…。
我が家は毎年、複数回ガレットを購入する羽目になります(苦笑)。
そんなわけで、以下は食べ比べレビューです (≧▽≦)
今年食べたガレット・その1 :
スタンダードなガレット(カルフール・ファアア店のベーカリーコーナー)
カルフール・ファアア店では、フランスの工場の大量生産品を店内で焼き上げたもの(約900フラン)と、パイ生地からお店で手作りしたもの(約1300フラン)の2種類が用意されていました。
日ごろからスーパーのベーカリーコーナーとは思えないほど、美味しいパンを提供してくれるカルフール・ファアア店。迷わずお店で手作りタイプを選択。
焼きたてのアツアツを陳列しているところに出くわしたら、買わずにはいられません。
直径は約28cmと大きく、コストパフォーマンスが抜群です。
中のクリームは甘さ控えめでクリーミー。
今年食べたガレット・ その2 :
変わり種ガレット( カルフール・ファアア店のベーカリーコーナー)
カルフール・ファアア店のオリジナル・フレーバーみたいです。
中のアーモンドクリームに、ほんのり柑橘系の風味があるのが新鮮。
普通のガレットは食べたことがあるから、違うのを食べてみたい!という方にお勧め。
ウチでは一番人気でしたが、価格がお高め(約2400フラン)なので、来年はどうしようかなぁ…。
今年食べたガレット・ その3 :
スタンダードなガレット(Snack Volvo)
ファアア国際空港から少しパペーテ寄りの Pamatai 地区にある「Snack Volvo(スナック・ヴォルヴォ)」。
このお店は「大丈夫か…?」と思うくらい質素な外観ですが、安い割になかなか美味しいので、いつも賑わっています。
こちらのパティスリーは、パイ生地を使ったお菓子を得意としているようなので、ガレットを試してみることにしました。
カルフールの通常のガレットと変わらない大きさで、1300フランでした。
スーパーマーケットではなく、パティスリーでこの価格というのは、かなり安いです。
パイ生地には、バターの風味が強く感じられます。
アーモンドクリームは硬めで、しっかりした甘さです。
まとめ
ガレット・デ・ロワは、その性質上、ホール買い必須のお菓子。
旅行で訪れる方には購入しづらく、実際に味わってみようという人は少ないかもしれません。
もし、年末年始に3世代旅行をするというようなご家族だったら、みんなでワイワイ食べると楽しいですよ。
実際には食べないとしても、こういった現地の行事を知っていたほうが、旅が楽しくなることもあります。
嬉しそうにガレットを買って帰るタヒチの人たち、紙の王冠をかぶっている子ども…
年始にタヒチにご滞在の方は、そんな光景に出会えるかもしれませんね。