旅行で訪れる人は知らなくても全く困らないけれど、知ってみるとタヒチがもっと身近に感じられるかも…そんな豆知識をお届けしたいと思います。
今回はタヒチのスーパーマーケットなどでよく見かける「PPN」という表示についてです。
PPNとは?
「Les produits de première nécessité」を略したものです。
日本語で言うところの「必需品」を指します。
貧しい家庭でも適切に生活必需品を購入できるようにという趣旨で、タヒチ政府によって実施されている措置です。
どんな品目の製品がPPNに指定されているのかを詳しく知るには政府によって作成されたリストを参照することになります。
代表的な例を挙げると、小麦粉、砂糖などの食料品から電球や電池などの日用品まで多岐にわたります。
・ポリネシア政府が行っていること
このPPNに指定されている製品は税金等が免除され、タヒチ島以外の島々に輸送される際の費用はタヒチ政府が負担するなどの助成が行われているのだそうです。
そしてPPNに指定されている製品に関してはマージンの値が政府によって固定されていて卸売り業者や小売業者が自由に販売価格を決定できないようになっています。
つまり、政府が決めた価格より高い値段で売ることができないのです。
・PPN価格より安価な珍しい例
決められた価格より安く売ることは可能なのですが、そんな奇特なお店はそうそうありません…。
Prince Hinoi通りにあるガソリンスタンドのShellでは、ガソリンを1LあたりPPN価格より10フラン安く提供しています。
公共交通機関が発達していない車社会のタヒチでガソリンが少しでも安く手に入るのは助かります。(ありがとう、Shell!)
そのため、このガソリンスタンドは利用者が多く、給油待ちの車が行列している時もあります。
・PPNの社会的デメリット
庶民にとっては価格が不当に高騰しないことは嬉しいのですが、問題点も多く、よく批判の対象にもなっているようです。
政府の財政を圧迫
不健康な食料品を多く選出(国民の健康リスク増大)
人工的な価格操作の経済への影響
政府と業者間の汚職問題…など
PPNの製品を見つける方法
お店でPPNに指定されている商品を見つけるのは簡単です。PPNの商品には赤い値札を使う、もしくは赤のマーカーで価格を表示するように義務付けられています。
写真のように商品が陳列されている棚を見れば一目瞭然です。
旅行者も利用してOK
PPNに指定されている商品は、誰でも表示価格で購入することができます。
フレンチ・ポリネシアの住民である必要もないので旅行者でも購入可能です。
PPNの商品を買おうとしているからといって、レジで身分証明書を出せなどと言われることもありませんので、ご安心を。
ただ、タヒチ在住者にとっての生活必需品が主なので、観光で来られる方にとってはあまり縁のない商品が多いかもしれません。
まとめ
タヒチを旅行中、お買い物の際にこのPPNという表示に目が留まったとして、普通はそのままスルーしてしまうものだと思います。それで全く問題はないのです。
ただ、タヒチに住み始めた頃「このPPN って…何?」と気になって質問してみたら想像もしなかった仕組みを現地の人に説明されて「へぇ~」と納得し、知らなくてモヤモヤしていたのがスッキリした覚えがあるので、もしかしたら他にも気になる人がいるかな?と、まとめてみることにしました。
問題点も多いので今後いつまで続くのかわかりませんが、物価の高いタヒチで生活する身としては有難いので、改正を重ねながら制度としては続けて欲しいな~と思っています。