タヒチの学校がイースター休暇として2週間ほどお休みでした。この機会に子どもたちを連れてニュージーランドに行ってきました。
ニュージーランドでもインターネット環境は整っていたのですが、旅行中はなかなかブログを更新する時間が取れず…。やっと今日から再開です。
今まで相方さんや相方さんの家族と旅行する機会が何度かありました。毎回思うことは「日本人の旅行観とちょっと違う!」ということ。タヒチ人みんながそうだとは言いませんが、周りの人たちの旅行スタイルを見ていて感じたことをご紹介したいと思います。
タヒチ人の旅行スタイル
・タヒチ人は根っからの旅人
航海術に長けていたタヒチ人は古くから冒険者・旅行者という側面を持っていました。ディズニー映画「モアナと伝説の海」を観るとイメージしやすいと思います。
フランス人のルイ・アントワーヌ・ド・ブーガンヴィルが1768年にタヒチ島にやってきた際、若いタヒチ人がフランスに戻る彼に同行したそうです。好奇心旺盛なタヒチ人の性質を表すエピソードだなと思いました。
現代タヒチ人も旅行好きな人が多いように思います。今は飛行機が主流ですが、予算に余裕がある人は豪華客船で船旅という話もよく聞きます。
物価が高いタヒチでは航空券代も高いですが、「必要経費」と考えている人が大半という印象です。娯楽が少ない土地で日常生活を送っていると、長い休暇の間くらいは外の世界に刺激を求めたくなるといった感じでしょうか。
普段の生活がのんびりなので、バカンスは都会に出向いて思いっきり楽しむ!というのがタヒチ流。
国内旅行をするにも物価が高いので、タヒチ島で過ごそうとも、離島に行こうにもかなり費用がかさみます。同じ予算で海外旅行が出来てしまう、むしろ安く済むというケースも。どうせなら海外旅行を!と思うのは自然なことです。
よほど低所得の家庭は別ですが、多くのタヒチ人にとって海外旅行をするのはある意味普通という感覚だと思います。懐に余裕があるかないかで旅行の頻度や旅行中の浪費具合に差が出るだけです。
・ツアーより個人旅行派が大多数
タヒチでは海外旅行をするのにパッケージツアーを使うというのは稀です。以前はパッケージツアーを提案する旅行会社もありましたが、最近はすっかり見かけなくなりました。
タヒチで「旅行会社」というと外からポリネシアに来る旅行者をお世話する所といった感じ。
ときどきエア・タヒチ・ヌイ航空が航空券とセットでホテル・ガイドツアー付きのパッケージツアーを売り出すことがありますが、その程度かなと思います。
タヒチ人は「débrouillard(e)s(機転の利く人、抜け目のない人)」と評されることがあります。海外旅行をするにも自力でうまく立ち回れるので、ツアーに参加してガイドさんにお世話してもらう必要がないみたいです。
自分でサクサク動ける人が多いので、パッケージツアーの高い代金を払うのではなく、個人旅行でなるべくリーズナブルな旅行を選択するのでしょう。
主な産業が観光であるタヒチでは、英語が堪能な人が多いのも理由の一つです。以前フランスに住んでいた時は英語を話さないフランス人の多さにビックリしましたが、タヒチでは大抵の人が英語を話します。なので旅行をするにも不自由を感じない人が多いようです。
個人的には、タヒチ人は車の運転が上手い人が多いと感じるので、海外でレンタカーを借りて動き回るのも苦ではないというのも理由の一つではないかな~と思います。
もっとツワモノの例を挙げれば、一個人が大勢に声をかけて団体旅行を企画し、航空会社と直接交渉して自分の分の航空券代を浮かせるという話を聞いたことがあります(旅行会社顔負け…)。
こういう場合は、参加するのは顔見知りばっかりで楽しそう!自分で全部手配するよりも楽!企画者が旅行会社のように利益を上乗せするわけではないので割とリーズナブル!ということで人が集まるようです。
企画する人はこれでお金を稼ごうとしているわけではなく、旅行手配の雑務を引き受ける代わりに、対価として自分の旅行代金を浮かせて安くバカンスに出かけるというわけですね。バカンスのこととなると俄然張り切って要領が良くなるタヒチ人…。
・観光もするけど住むように滞在
これは人によって様々ですが、私の周りの人達は住むように滞在する人が多いように感じました。
タヒチでは学生だけでなく、社会人も(日本に比べれば)まとまった休みを取りやすいので、2週間~1か月という期間で旅行に出かける人が少なくないです。「2泊3日弾丸ツアー」みたいなことにはならないので、現地に住むような感覚になるのかな、と思います。
個人旅行であることが多い以上、自分のペースで行きたい時に行きたい所へ行く、臨機応変に予定を変更する、体調に合わせて無理なく動くことができるからでしょう。
あと、タヒチ人は(人にもよりますが)ブランドものを買い漁るイメージがありません。
どちらかというと、タヒチで高く売られている日用品などを安く買って持ち帰るためにショッピングをする人が多いように思います。物価が高い国の国民ならではという感じ。初めて相方さんの家族と旅行した時は、日用品を爆買いする様子に面食らいました…。
そこで、買い物する場所も地元の人が利用するようなお店が多くなります。日本人なら「わざわざそんな物を旅行先で買わなくても…」と思うような物でもタヒチでは見かけないものだったりするのです。
確かにタヒチでの暮らしが長くなると、欲しいものがあっても高いなと感じたら「次に旅行する時まで待とう、そんなに急ぎでもないし」と思うことが多くなりました。近々旅行をする予定のタヒチ人の頭の中にはそういう買い物リストがあるのだと思います。
一番身近な外国、ニュージーランド
・異空間を求めて
タヒチ人に人気の旅行先は大きく分けてフランス、アメリカ、ニュージーランド、日本といったところです。その中でもタヒチアンにとって一番身近な外国と言えばニュージーランドだと思います。
地理的にはニューカレドニアも近いですが、同じフランス領土ということで完全に「外国」というわけでもないし、言語も通貨も同じ。タヒチの日常とは違ったものを旅行に求める傾向があるので、やや似た感じのニューカレドニアよりはニュージーランドのほうが人気のようです。
ニュージーランドはタヒチから飛行機で5~6時間程度と近いです。英語圏であり、もちろん通貨も違い、車も左側走行(タヒチは右側走行です)。近場であってもタヒチアンには外国風情たっぷり。
時差も大きくないので体への負担が少ないです。
(厳密に言うと日付がズレるほど時差は大きいのですが、日付を考えずに時刻だけで考えると、ニュージーランドが夏時間の場合、時差は2時間。冬時間の場合は時差3時間。 昼夜逆転するわけではないので楽なのです)
昔は「羊しかいない」というイメージで人気がなかったらしいのですが、オークランドが発展するにつれて楽しめるレジャーが多くなり、カジノを擁するスカイシティもできて今では人気の旅行先となりました。
オーストラリアに住んでいた人に言わせれば「ニュージーランドはすごい田舎」らしいですが、タヒチアンにとっては十分楽しめる都会なのです。
アメリカに比べると高く感じますが、ニュージーランドの物価はタヒチに比べると安く感じられます。その点もタヒチアンにとっては魅力。
(でもよくよく比較してみると物によるというか、タヒチの物価と変わらないこともあるので要注意だと最近気づきました。でも気づかずに爆買いに走るタヒチアン多し…)
・タヒチアン遭遇率高し
タヒチ人に馴染みのない一般的な日本の方々は気づきにくいと思いますが、オークランドではタヒチアンに遭遇する確率が高いです。特にタヒチの学校がバカンスの時期はタヒチアンに出くわすことが多々あります。
フランス語が聞こえてきたな~と思ったらタヒチアン率が高いです(たまにフランス本国から来ているフランス人だったりしますが)。
あとは見た目とか喋り方とか雰囲気とかでタヒチ人だとわかります。タヒチでしか手に入らないTシャツを着ていたりしてわかることも…。
今回オークランドに2週間ほど滞在して2組の親戚の人に会いましたし、知り合いでないタヒチアンもたくさん見かけました。観光先、買い物先、レストランなどあらゆるところにタヒチアンがいました(笑)
次回予告
せっかくたくさん写真を撮ってきたので、次回からしばらく「タヒチでひとりごと番外編・ニュージーランド旅行記」をお届けしたいと思います。
タヒチで生まれ育った相方さんと一緒に個人旅行ということで、タヒチ人的な物の見方、旅行スタイルなんかがにじみ出ているかも?
ニュージーランドはタヒチに比べると娯楽が多いので、ニュージーランドの記事数がタヒチのそれを越えてしまうかもですが(汗)、しばらくお付き合いいただければと思います。